栄養指導について
生活習慣病をはじめ、幅広い慢性疾患の治療には食生活の改善が必要になります。また、生活習慣病は食事を上手にコントロールすることで状態が驚くほど改善することも珍しくありません。
ただし、摂取する食材や調味料の制限、栄養素のバランスだけでなく、食べる順番などによっても効果の現れ方は異なります。また、疾患や体質、ライフスタイルや食に対する好みなどに合わせることで、食事療法のストレスも大きく低減できるかもしれません。
当院では、管理栄養士がじっくりお話した上で、より効果的でストレスが少ない食生活改善について具体的にわかりやすくお伝えしていければと考えております。こうした栄養指は治療の一環として行うものですから、保険適用で受けられます。
栄養指導では、積極的に摂取したい食材、控える必要がある食材、手軽な食材や調理法、味付けのコツ、食べる順番やタイミング、外食や会食時の注意点などをご説明していこうと考えております。食事療法は続けることが重要ですから、無理なくはじめることができ、モチベーションを保てるよう配慮してアドバイスすることを心がけております。
また、食事はご家族と共にするものですから、栄養指導もご家族の同席を歓迎しています。成長期のお子さんがいる場合など家族構成に合わせたメニュー作りについてもご説明していければと思います。患者さんとご家族のストレスをできるだけ軽減し、食事を楽しんでいただけるようにサポートいたします。お気軽にご相談ください。
栄養指導のご案内
現在の食事摂取状況をうかがい食材指導・調理指導、食生活プログラムなどをご相談させていただきます。
栄養指導の流れ
医師が診察および検査結果から、栄養指導が必要と判断した場合に行います。
管理栄養士との栄養指導は、聴取した内容や記入いただいた調査票をもとに管理栄養士が食生活改善策をご提案します。具体的な内容については患者様さんと相談しながら調整を行ってまいります。食の楽しみを損ねないための工夫、負担の少ない調理法、推奨される食材、控える食材、便利で使い勝手のいい食材、食材選びのポイント、栄養バランス、健康な方との食事と同時に調理する際のポイント、食事のタイミングや間隔、食べる順番、外食や会食時の注意点など、食全般に対して具体的なアドバイスになるよう心がけていきます。気になること、わからないことがありましたら些細な内容でも遠慮せずにご質問ください。
栄養指導が受けられる主な疾患
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・高尿酸血症(痛風)などの生活習慣病
- 肝臓病(肝炎・肝硬変)
- 腎臓病(腎炎・腎不全・ネフローゼ症候群・透析)
- 心臓病
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 貧血
食事療法の内容
バランスのとれた食事を1日3回、同じような時間に摂取する
1日2食では、1回に食べる量が多くなる・、間食が増えるなどを起こしやすく、糖尿病発症や進行のリスクが上昇します。1日3食を決まった時間にとることが望ましいです。
メニューは、主菜1品・副菜1~2品が目安
肉・魚・卵を使った主菜は、複数あるとカロリーオーバーになりやすいため、主菜は1品に抑えましょう。野菜を中心にした副菜を1~2品加えることでバランスがとりやすくなり、食の楽しみも損ねずにすみます。主食は糖質ですから摂取量を減らす必要がある場合も多いのですが、とらないのではなく適切な量をとることが重要です。
野菜をできるだけ毎食、多めにとりましょう
野菜はカロリーが低く、食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富です。特に糖質が少ない緑黄色野菜を積極的に摂取することでカロリーオーバーの予防につながります。
生野菜の摂取制限が必要な疾患もありますので相談が必要な場合があります。
汁物や漬物・佃煮
塩分を制限するためには、塩分を多く含んでいることが多いスープや吸い物、味噌汁などの汁物や漬物・佃煮の取り方には注意が必要です。
加工品
干物、ハム、ベーコン、チーズなどの加工品は塩分が多いことが多く注意が必要です。
油分の多いもの
フライ・天ぷら・唐揚げ、炒め物といったメニューに加え、マヨネーズ、ドレッシング、バター、生クリームなど。主菜が揚げ物や炒め物の場合、サラダはマヨネーズ、ドレッシング、バター、生クリームなどは控えた味付けで食べるようにしましょう。
果物、乳製品(牛乳やヨーグルト)
果物は食物繊維やビタミンなどが豊富ですが、糖質も多く含まれている傾向にあるます。乳製品は良質なカルシウム源であり手軽にとることができますが、脂質分、糖分摂取量が多くなり過ぎないように気を付ける必要があります。